2021/11/10
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涙そうそう |
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こんにちわ、NIKO、Fです。 about movie 第二回目は、 「涙そうそう」をご紹介します。 この作品もまた、「森山良子」さんの代表曲、「涙そうそう」 からインスパイアされた作品となります。 が、「糸」と違う点は、歌の世界観を表したというのではなくて、 歌そのもののストーリーを直接表現したというところでしょうか。 「涙そうそう」は、森山良子さんの実体験に基づいた歌だそうですが、 もちろん人物関係や場所、時代などは映画化に合うよう設定されています。 【STORY】(観ていない方のために) 2001年、沖縄・那覇。明るくおおらかな洋太郎(妻夫木聡)は、自分の店を持つことを夢見て働く。そこへ、高校に合格した妹のカオル(長澤まさみ)がやって来て同居することになった。 カオルは、母・光江(小泉今日子)の再婚相手の連れ子。だが、光江は幼い洋太郎とカオルを残して天国に旅立ってしまった。以来、「カオルはひとりぼっち、どんなことがあっても守ってあげるのよ」という母の言葉を胸に秘めながら、懸命に生きてきたのだった。 やがて資金が貯まり店が開店を迎えようとしたとき、洋太郎は詐欺に遭って莫大な借金を背負ってしまう。それでも洋太郎はカオルを大学に進学させるために必死に働くが……。 【about STORY】 〇ストーリー自体は単純です。伏線があるわけではなく、単純に兄妹の出会いから別れまでを描いた作品で、その分ストレートに物語が進行します。 こんな場合は、 ①ストーリーがよいこと ②役者さんのキャラが立っていること ③役者さんや演出、撮影の技量が優れていること が大切なのですが・・・・・ 良いです。 〇人物の相関は、珍しいけれども周りにいなくはない、という設定で、 お話自体も、「よくあることだけれど、こんな感じで重なることは珍しい」的な、 まあ、泣けるストーリー、王道です。 〇舞台は沖縄ですから、ロケーションは当然素晴らしいですね。 全編が「陽」のイメージです。(兄妹のキャラクターはこれに合わせているのでしょう) 絵面をどうこうするより、ストレートに見せています。 兄妹の複雑な生い立ちや想いなどとの対比としてみても面白いと思います。 〇一言でいうと「長澤まさみ」さんの魅力を100%引き出すことが第一! のようなつくりです。 でもそれは彼女の魅力に乗っかって、というものではなく、 この女優さん、『若いけれど素晴らしいでしょ!』と、観る人に伝えたくてたまらないような 造る側の熱意が感じられます。 それにこたえる、というより上回る演技が見られます。 ・幼い口調で兄を呼ぶ「にいにー」 これは破壊力ありすぎです(笑) ・兄に対していたずらっぽく接するしぐさ ・兄に対して絶対的な信頼を寄せる態度 ・兄との関係を意識して戸惑う表情 ・関係を維持するために兄のもとを去る時の決意の表情 わずか数年の間の、女の子の内面の成長を見事に表現しています。 〇個人的には「堀北真希」さんが絶対の自分なのですが、 共通するところが、『表情で演技ができる』つまり、アップに耐える演技力がある、 というところです。 一般の評価では、演技力について意見が分かれるお二人ですが、 お二人とも、アップで見せることができるのです。 ちなみに、顔がきれいで魅せるという意味じゃあないです。念のため。 (もちろん美人ですが) 機会があったら、意識して、観てみてください。 〇一番のシーンは・・・ (ここが唯一の伏線&回収の場面になりますが) 兄と離別して、美しい海岸でたたずむカオル 母から教わった、泣きたいのをこらえる方法・・・ ⇒波乱の人生を歩んできた母で、悲しいことが多かったと思いますが、 いつも明るい母親でいたその裏では、必死で涙をこらえていたということでしょう。 さらっとしか描かれていませんが、 その分この場面で、あらためて兄妹の絆の深さを、観る者に意識させます。 鼻をつまんで上を向き、 必死に涙をこらえようとするカオルに、祖母が言葉をかけるシーン・・・ 「25年がきっとあの子の寿命、仕方ないさ」 「我慢しないで、うんと泣いていいさ」 〇細かい部分では、沖縄の様々な問題も描かれていますし、 一昔前(20年前の設定です)の沖縄に触れることができます。 ちょうど沖縄への修学旅行が流行ってきた時期でしょうか・・・ 懐かしいです。 〇最後に、ひと区切りついた後に、兄から送られてきた着物 成人のお祝いです。添えられていた手紙を読んだとき、 はじめてカオルは号泣します。 この時はっきりと自分の感情に気が付いたということでしょう。 (おばあのシーンでの涙は、兄妹としての想い、だということ) エンディングで、カオルの本当の気持ちを、幼いカオルが語ります。 という、とてもよくできたエンディングでした。 そんなこと言われても、観ていない方、わかりませんよねえ。 〇「糸」とはまた違って、「人生の一コマの濃縮された期間」を描いた
どちらかというとドラマチックな映画です。 気になる方はぜひ観てください。 〇「愛」のあふれた作品でした。 中学生以上に見てもらいたい作品です。 【私感】 あらためて気が付いたのですが、 監督は「土井裕泰」さん。 なんと、「いま会いにゆきます」の監督さんですね。 (本当、今気が付きました) なるほど、自分にはまるわけだ・・・ ちなみにこの方、最近では ・「ビリギャル」 ・「罪の声」 ・「花束みたいな恋をした」 を撮られてます。 ドラマでは、今まさに「日本沈没~希望のひと~」!! ところで、 上映は、作品によって、 ①上映権を買う ②業者に依頼する ③著作権者に許可を得る いずれかの方法じゃないと、授業等で見せてはだめだということご存じでしょうか? ※市などが貸し出しているものは、この点はクリアーしていますから心配はいりません。 レンタルビデオや、個人として購入した作品を見せるのはやめましょう。 (数人でグループで鑑賞する分については問題とされない場合もあるようですが) というようなことも、啓発させていただきますので、ご参考になさってください。 イヤー映画ってのは本当にいいものですね。 それでは、また、ご一緒に楽しみましょう! さいなら、さいなら、さいなら???(わかる人しかわかりません、ごめんなさい) |
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